異教徒や異端派の女性の奴隷化など21世紀の出来事とは思えない所業を公然と犯しているISやボコ・ハラムの撲滅には世界の国々の協力が必要だが、空爆だけで完全制圧は期待できず、地上兵力の投入の重要性は明らかである。そして米国もNATO諸国もそこまで深入りする用意がない以上、実際にはシリア政権軍、クルド人勢力、イラク・シリアのシーア派兵力の三者しかIS打倒の担い手はいない ( 穏健反体制派にはその力は無い ) 。苦い結論でも世界はそれを受け入れる他ない。
クルド人が一貫してISと戦って来た以上、彼らの国際的地位の向上は抑えられない。もともと、人口3000万人と言われる民族が国家を持たないことは不自然であり、ISらイスラム過激派の打倒の暁にはクルド人の自立要求を世界とくにトルコ、シリア、イラクは認めるべきだろう。
ISが中東で打倒されても西欧内のイスラム教徒とりわけアラブ人の反抗は止まないだろうし、それがテロという形を取る可能性は少なくないだろう。「他文化との共生」は理想だが、それを唱道してきた人たちは風俗習慣から宗教に至る文化的隔たりの根深さを十分認識していなかったと言わざるを得ない。現実を踏まえない理想主義はトランプやルペンや「ドイツのための選択」派に太刀打ちできるだろうか。
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