2015年1月21日水曜日

イスラム国の人質

イスラム国に捕らえられていた二人の日本人が日本政府による2億ドルの身代金支払いがなければ殺されることになった。これ迄の前例を考えれば、彼らの要求を呑まなければ二人は殺害されるだろう。かといって列国との協調を考えれば支払いには応じられまい。政府は一応人命尊重を第一にと言っているが本心ではあるまい。通常なら頼れる中東の諸政府やグループの仲介も今回は期待薄だろう。

私は人質の二人に全く同情を感じない。彼らは日本大使館の館員たちも全員退去した極めて危険な国に自ら赴いたのである。彼らのために国民が苦労して稼いだ金を使うべきではない。かつてダッカ空港事件で日航機の乗客と乗務員百数十人の人質を救うため日本政府は赤軍派に大金を払い列国から批判された。それでも、何ら非難される余地のない乗客乗務員の生命を救うためならまだしも止むを得ない側面はあった。今回は全く事情が違う。民間軍事会社設立のためはもちろん、現地の実情の報道のためであっても他人( 交渉のための外交官など )を危険にさらす可能性はある。この二人のためにたとえ他国人でも別の犠牲者が出ることなどあってはならない。

私の購読する新聞は「毅然として向き合っていくべきだろう」と言う一方で「人命の重みを最優先に対処すべきだ」と言う。両者は簡単に両立する命題ではないのに。政府首脳の発言には制約がある。しかし、言論機関が当たり障りのない提言をしている場合なのだろうか。



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