今朝の朝日新聞は社会に欠かせない労働に従事する人たちにどのように感謝を伝え報いるかの問題を取り挙げている。大変良い企画記事だと思う。
そもそもこの問題は危険なコロナウイルスと日夜闘っている医療従事者(医師、看護師、検査技師、清掃係員など)にどう報いるかの問題が発端だったと思う。しかし、それを考えると清掃事業をはじめそれ無しでは少なくとも都会の住民の生活は維持できない人々にどう報いるかが問題となる。紙面の写真にはには台東区の清掃事業所の壁に住民がゴミ袋に貼った感謝の手紙が多数掲示されている。下町には人情が色濃く残っているからか。心温まる情景である。
しかし、社会にはその職業に就くために必要な就学年数や習熟年数により報酬に大きな差があるのが現実であり、一般には当人の能力差のゆえと考えられている(能力主義)。 そして米国の能力主義の強さは日本の比ではないと聞く。それが同国の活力になっているのは事実だろう。『朝日』の紙面にはハーバード大学教授で最近『実力も運のうち 能力主義は正義か』(邦訳は早川書房)を書いたマイケル・サンデルも登場する。
私は同書を読んでいないが、親の所得や学歴など言わば「教育環境」が子の能力の育成に大きく影響することは明らかだろう。逆にそうした環境に恵まれなかった人たちへの配慮は欠かせない。「能力主義」の再検討が必要ということではないか。
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