2022年1月16日日曜日

謙虚さの代償?

 昨日の東京新聞の『本音のコラム』に師岡カリーマ氏が「謙虚か誇りか」と題する小文を寄せている。それによると「日本人銀メダリストが国民に謝るのはなぜという記事を海外メディアが掲載した」とのこと。氏はこれを過剰な謙虚さの表れであるとする一方、「私たちには金がふさわしいという主張ともとれる」と、うがった見方を展開している。同様に、「新幹線が僅かな遅れで謝罪するのも.........本気で信じているわけではなく、実力宣言だろう」と見る。

 私は銀メダリストに関しては 、1) 我が国のメディアが事前に金メダル候補と持ち上げすぎるためと、2) 選手が企業など出身母体から多額の支援を受けているなど、選手が謝るのは心からの場合が大半だと思う (日本の特殊性?)。 それに対し新幹線の場合、私も過剰な謙虚さだと思う(規則に則っているのだろうが)。 さらに、カリーマの「でもこの謝罪の蓄積が一部の客には過度な権利意識を与え、時にはカスタマーハラスメントにつながっていないか」との指摘には賛成する。

 「お客様は神様です」とは歌手の三波春夫の言葉として知られる(それ以前に松下幸之助松下電器社長が「お客様は王様です」と発言しているが)。神様にせよ王様にせよ、商人や公務員の心構えとして間違っているとまでは言えないが、公務員組合の調査では組合員の6割ぐらいがカスタマーハラスメントの被害を受けているという。私自身、多摩市役所で何への不満か「民間会社なら考えられない」と繰り返し何度も担当者を責める「民間人カスタマー」を見たことがある。学校ではときにモンスターペアレンツに苦しめられると聞く。公務員でも教員でも役職者はカスタマーの不当な要求に苦しむ部下の盾となってほしい。

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