2021年4月19日月曜日

新疆ウイグル自治区の現状は「ジェノサイド」か?

  日米首脳会談が終わり共同声明が発表された。台湾問題が注目の的だが、「香港及び新疆ウイグル自治区における人権状況への深刻な懸念」との箇所もわずか1行だが前者に劣らず重要である。

  他国の内政問題への批判は濫用されるべきではない。しかし、程度にもよるし、中国は国連の五大常任理事国メンバーであり、人権問題でも模範でなければならないはず ( 国連設立当時、米英仏中ソは「5人の警察官」にも例えられた )。

  米国はバイデン政権になってウイグル自治区での人権状況に「ジェノサイド」という表現を使用し始めた。私は当初そこまで言い切れるかとの疑問を抱いた。ジェノサイドとは単なる大量虐殺ではない。一民族つまり子供に至るまで抹殺する行為を意味する。軽々に使用されるべきではない。

  しかし、昨日の朝日新聞の『天声人語』によれば同自治区では中国の統計でも不妊手術は「2014年3千余りだったのが、18年には約65万件」「じつに18倍の増加」をしたという。それが事実ならジェノサイドの呼称は誇張とは言えない。

  現在の自治区の人口はウイグル族と漢族がほぼ同数らしい。国策で多くの漢人が送り込まれた結果だろうが、イスラム教徒のウイグル族は産児制限をしないはず。中国政府はウイグル族が再び多数派になることを恐れているのだろう。しかし、だからと言って国策による強制的な「間引き」が許されて良いはずが無い。中国は早急に国際機関による調査を受諾すべきである。

  

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