第二次大戦中の中止を経た戦後最初のオリンピックは1948年のロンドン大会だが、未曾有の戦火、とくに「ロンドン空襲」として名高い大きな被害の後、通常の大会など開催できるはずも無く、節約に徹した大会だった。
今朝の毎日新聞のコラム『金言』に小倉孝保編集委員がロンドン大会の実情を紹介している。競技場はむろん新設など論外。選手や関係者の宿は軍や大学の施設を利用。交通は選手も地下鉄など公共交通機関を利用。大会期間中の食料も自前で調達だった。競技施設の不備もカナダが水泳の飛び込み板を持参。スイスは体操用具を、アルゼンチンは馬術用の馬を提供。ある競技は実施が予定より長引き日没となったが、自動車のヘッドライトの光を集めて続行したという。
それでも今日、ロンドン大会にケチをつける人は居ない ( 敗戦国日本は参加を許されなかったが、それは別問題 ) 。コラム筆者の言いたいのも初心に帰れということだろう。私も同感だ。1948年と現在では比較できないと言う人もあろう。しかし2021年は対コロナ戦争の最中であることを想起すべきではないか。
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