2021年4月2日金曜日

ロンドン・オリンピックをふりかえる

  吉村大阪府知事が大阪市の聖火リレーを中止すべきだと発言した。府と市の関係がどうなっているかは知らないが、このところの大阪の感染者数の激増を考えれば聖火リレー中止は妥当だろう。オリ・パラ大会自体の開催すら危ぶまれるが、あくまで開催を目指すなら競技以外はできるだけ簡素にすべきだろう。

  第二次大戦中の中止を経た戦後最初のオリンピックは1948年のロンドン大会だが、未曾有の戦火、とくに「ロンドン空襲」として名高い大きな被害の後、通常の大会など開催できるはずも無く、節約に徹した大会だった。

  今朝の毎日新聞のコラム『金言』に小倉孝保編集委員がロンドン大会の実情を紹介している。競技場はむろん新設など論外。選手や関係者の宿は軍や大学の施設を利用。交通は選手も地下鉄など公共交通機関を利用。大会期間中の食料も自前で調達だった。競技施設の不備もカナダが水泳の飛び込み板を持参。スイスは体操用具を、アルゼンチンは馬術用の馬を提供。ある競技は実施が予定より長引き日没となったが、自動車のヘッドライトの光を集めて続行したという。

  それでも今日、ロンドン大会にケチをつける人は居ない ( 敗戦国日本は参加を許されなかったが、それは別問題 ) 。コラム筆者の言いたいのも初心に帰れということだろう。私も同感だ。1948年と現在では比較できないと言う人もあろう。しかし2021年は対コロナ戦争の最中であることを想起すべきではないか。

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