私の見落としかもしれないが、死亡した黒人男性が何をした結果事件となったかは報道では分からなかった。一昨日 ( 6月6日 )の東京新聞の『本音のコラム』に「悲劇の背景」と題する師岡カリーマ氏の小文があり、やや詳しく事情を知った。
それによると死亡した男性はスーパーで20ドルの偽造紙幣を使用し、スーパーの店主が警察に連絡したことが事件の発端だった。しかし、米国の紙幣はニセ札が少なくないことは常識であり、男性が店の前にとどまっていたことから、かれはニセ札使用とは知らなかったとカリーマは判断する ( 私もそう思う ) 。一方、ニセ札と知って店主が警察に通報したとしても落ち度とまでは言えない。かれの店はその後、「脅迫や掠奪、破壊行為にあった」が、それでも遺族に葬儀の費用負担を申し出たという。
スーパーの店主はパレスティナ移民二世で、店は父が30年前に設立したとのこと。その故か、あるアラブ紙は「仮に客が白人や美女でもすぐ警察を呼んだか。我々はアラブ人差別を非難する一方、自らは黒人を差別していないか」と強い言葉で追及するこラムを掲載したとのこと。厳しすぎる感じもしないではないが..........。
以前読んだ各国歴史教科書の国際比較の書 ( 現在手元にない ) によると、アフリカの北部のアラブ系住民はかつてしばしば南部の黒人の奴隷狩りをした。しかし、アジア・アフリカ諸国の連帯のためか、アフリカ諸国の教科書には現在そうした事実への言及はないとのことだった。
「誰であれ、自らの差別意識を自問自省するのは大切だ」とのカリーマの結論には賛成である。
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