これまで、中東諸国やパキスタンと異なり東アジアのイスラム教諸国の国民は穏健なイスラム教徒と見られてきた。しかし最近はインドネシアやマレーシアなどでも原理主義の台頭が見られる。私は我が国への外国人労働力の導入に賛成だが、多文化との共生など念頭にない宗教信者の移民には反対せざるをえない。
きのう、同じ『朝日』の朝刊に、「サウジ皇太子 揺るがぬ権力」「カショギ氏殺害事件から半年 『若き改革者』 若者から支持」との記事が載っている。もっとも宗教戒律が厳しいと言われたサウジアラビアでムハンマド皇太子が女性の自動車運転やスポーツ観戦やコンサート出席などを許可したことへのサウジ女性の喜びの声を伝えている。同国の女性の間では「サウジの春」との声もあると以前読んだ記憶があり、日本のアラブ通からも皇太子の改革は「庶民から絶大な支持を得ている」との指摘もあった ( 郡司みさお『毎日』11月7日 )。他方で同皇太子がジャーナリストのカショギ氏の殺害に関与した疑いは極めて濃いし、女性の権利を主張した活動家の拘束なども伝えられている。
カショギ氏は「イスラム教に誇りを持つ自由民主主義者だ」と語っていたという。それに噓いつわりは有るまい。しかし、「アラブの春」では下からの改革運動は果てしない混迷 ( リビア )か原理主義派の支配 ( エジプト ) に終わった。カショギ氏はこの現実から学ぶべきではなかったか。この地では上からの改革にはそれなりの正当性があると認めざるをえない。だれであろうとサウジ女性の地位向上を実現して欲しい。
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