私は知らなかったが、ハラリ教授の人類史を通観した『サピエンス全史』は世界的に話題を集めていたという。今回の『ホモデウス』は人類の未来を論じている。ホモデウスとは神のような人間、神に近づく人間という事のようだ。番組とインターネットによる知識だけで論ずるのは無謀だが、あまりにショッキングな人類の未来像として一言述べたくなった。
教授によれば、飢餓、疫病、戦争といった災厄を克服しつつある人類は、AI ( 人工知能 ) やバイオテクノロジーの一層の進展により数十年のうちに神のような存在に進化するという。というと人類の未来は明るいかというとそうではない。200年以上前の産業革命は労働者階級を創出したが、AI革命は労働者階級を「無用者階級」に変えるという。個人として「無用者階級」に転落しないためには人間は一生学び続けなければならない。
原著を読んでいないので教授の未来像が一国の変化の先を論じているか知らないが、私には国際社会の未来が気になった。現在、AI革命の先頭に立つ米国や、何とかそれについて行ける?ヨーロッパ、日本、韓国、中国、インドなどの未来は暗くないだろう。しかし、ついて行けない国々はどうなるのか? これまで我々は発展途上国もいつかは先進国に追いつくと予想していたのではないか。しかし、AI革命により今後は両者の距離は縮まるどころか拡大するのではないか。すでにその兆候を私は感ずる。先進国民の利他心がそれにブレーキをかけられるか。AI革命やバイオテクノロジーの進歩は人類の未来にとって原水爆戦争や地球環境の悪化と並ぶ難問かもしれない。
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