2018年7月22日日曜日

「脳科学」の進歩?

邦画『万引き家族』がカンヌ映画祭で金賞を得たのはもう旧聞にぞくする。一部に国辱的とのネットの?声もあったと聞くが、たしかに現代の日本でもこれほど貧しい家族は少ないのにとは思った。しかし、前回のブログで取りあげた西欧人の孤独とは対照的で、そこには貧しくとも家族愛 ( 他人の子どもにまで及ぶ ) があり、そこが審査員たちの心を動かしたとも想像する。

是枝氏の映画の中の万引きは貧しさが主な動機と思われるが、NHKの『クローズアップ現代』の「万引き痴漢という病」( 7月18日 ) は別の動機を取りあげていた。番組によると万引き犯の1割か2割は盗みという行為が嬉しいからおこなうので、盗品は必要がないから捨ててしまう!  これは「クレプトマニア」という病で、ストレスなど心に何らかの傷を負っているのだという。

痴漢も同様に自分の中の衝動を抑えられず、「もう死にたいくらいの気持ち」なのに犯行を重ねてしまう ( もちろん当て嵌まるのは一部の犯人だろうが )。そうした人の場合、刑務所内の講習を受けても結果に大きな差は無いという。要するに万引きも痴漢も本格的治療が必要な病気のケースがあるということだろう。

最近、「脳科学者」という聞きなれない肩書きでテレビによく出演する女性がいる。脳内のどの部分がどんな働きをするかは以前から大まかには知られていた。現在の脳科学はさらに進歩し、どの部分の不全がどういう症状を生むかまで解明しつつあるらしい。つまり、精神的存在としての人間も物質的存在として見直す必要があるらしい。何だか、知りたくないこと、見たくない現実までつきつけられつつあるような妙な感じを禁じえない。真実は快いことばかりでもあるまい........。

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