昨日の朝日新聞に「トルコ政権の言論弾圧」との見出しの記事が載っている。それによれば現在のエルドアン政権に閉鎖された報道機関は約150社に及ぶ。収監されているジャーナリストは2017年73人、16年81人で2年連続で世界最多とか。
世界一の親日国を台湾と競っている?トルコのジャーナリストたちの受難は残念至極であり、心が痛む。トルコはほぼ100年間、国父とも言うべきケマル・パシャの政教分離の国是を固く守ってきた。それがいまや過去のものとなりつつあるのは悲しい。しかも現政権は国民の固い支持を得ている。
トルコだけではない。「多様性のなかでの統一」を掲げ諸宗教の共存を国是としてきたインドネシアで、ジャカルタ市長がイスラム教を冒涜したとの市民の怒りで市長の座を追われた。不注意な発言はあったようだが、穏和派イスラム教徒が支配的とされてきた国でもイスラム教の急進化が進んでいるようだ。同教内のスンニ派とシーア派の抗争もイラク、パキスタン、バングラデシュなどで激化している。
今年刊行された飯山陽『 イスラム教の論理 』( 新潮新書 ) によればイスラム国 IS のイスラム教解釈は正しい。したがってイスラム過激派と呼ぶよりはイスラム原理派と呼ぶのが正しいようだ。キリスト教諸国もかつては新旧両教徒の間の殺し合いがあり、進化論を未だに否定する原理派もいる。しかし政治と宗教を分けて考えるべきだとの考えが今では支配的である。イスラム教も政教分離容認の途上だと私は考えていたが、世界の一体化、グローバル化はむしろ逆の流れを活性化するようだ。諸国民の共存は正しい目標だが、混住がそうとは言えない。
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