2016年12月22日木曜日

ベルリンのトラックテロ

小旅行をしている間に、ベルリンで大型トラックを使ったテロがクリスマス市に突っ込み死者13名を出す惨事があった。犯人はまだ確定していないが犯行の態様からもイスラム過激派の仕業と見られる。これまでドイツはメルケル首相のもと難民や移民に寛大だったが、今後はその政策の再考が必至だろう。最大の被害者はある意味でドイツ内のイスラム系同胞なのだが、それが理解できる犯人なら最初から犯行に及んでいないだろう。

米国でのトランプの大統領選の勝利の一因が「隠れトランプ派」の存在にあったことは知られている。同国ではマイノリティ民族への不満や、同性愛者や女性のジェンダー的主張への違和感などを公然と表明することがタブーとなっていた。大学卒の若者のトランプ支持者が言論の自由のために行動していると語るテレビ画面があった。

現在のEU諸国では移民難民の入国に公然と反対することはやはりPolitical Correctness (政治的正しさ ) に反するとされ、極右と非難されがちである。しかし、テロに走る移民難民が百人千人に一人、否、一万人十万人に一人と頭では理解しても、現実に各種のイベントに参加するのが恐ろしいとなれば、反移民感情は抑えられない。

今朝の毎日新聞の社説は「ベルリン・テロ   独社会の分断を恐れる」との見出しで、「懸念されるのは極右勢力が国民の不安につけこみ、ドイツ社会の分断を深めることだ」、「非道な事件が協調の精神を失わせることになってはならない」と論ずる。たしかに正論ではある。しかし精神論は現実の前には無力である。Political  Correctness  に執着する限り政治の非寛容化が止むことはないだろう。EU諸国は米国のトランプ現象を他山の石とすべきではなかろうか。それも早急に。

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