私はA級戦犯が合祀されている限り首相ら重要閣僚の靖国神社参拝に反対だし、親類縁者に合祀者がいる人は別とし一般閣僚の参拝にも反対である。また、今回の事件で韓国や韓国人一般を云々したくない ( 韓国のネットでもさすがに呆れたという声が多いようだ )。しかし本人を安重根気取りにさせた空気が今の韓国に皆無とも言い切れない。
在日コリアンで韓国人BC級戦犯の名誉回復運動をしている李鶴来さんの記事が『毎日新聞』に紹介されている ( 12月11日 )。それによれば軍属として徴用され捕虜収容所の看守などを務めたコリアンは3000名以上。そのうち148名が捕虜虐待などで戦犯とされ、23名が死刑執行されたという。自身も一度は死刑判決を受けた李さんは、「母国に帰っても『対日協力者』と見られる」と韓国には帰らなかった。元戦犯に対し韓国政府が「『強制動員の犠牲者』と初めて認定した」のは2006年だった。元慰安婦たちが声を挙げた時期が同じころなのは示唆的である。
同じ12月11日の『産経新聞』に『帝国の慰安婦』出版で韓国で起訴されている朴裕河世宗大教授に「石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞」が贈られたとのかなり大きな記事が載っている。自社の特派員が大統領侮辱で起訴されている同紙が大きく取り挙げたのは驚くに当たらないが、他紙がこの事実をまったく伝えないのは不可解という他ない。明白な「学問の自由」の侵害といえども他国の事件にやたらに批判を浴びせて良いとは思わないが、「大勢の考え方に抵抗する存在としての例外は大切にしたい」との朴教授の孤独な戦いを伝えることはせめてもの我々の務めと考えるメディアは無いのだろうか。
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