特に見たかった理由は現在の台湾の人たちが日本統治時代をどう描いているかも無論だが、私が中高校生時代プロ野球選手の呉昌征選手がレギュラーとして活躍し ( 戦前は巨人、戦後は阪神、毎日 で。野球殿堂入りしている )、その出身が嘉義農林だと記憶していたこともある。
嘉義農林はこの後も三年連続で甲子園に出場したという。この映画では呉昌征は野球に憧れる少年として顔を出す ( のち出場 )。
映画は弱小のKANOチームがまず台湾代表を、ついで甲子園優勝を目指して日本人監督のもと漢人2名、日本人3人、原住民4人のレギュラー選手が力を合わせて奇跡の活躍をする物語であり、日本の台湾統治への批判は皆無である。逆に作中、農業用の大ダムの建設で当地方が大きな恩恵を受ける挿話もチラリとだが紹介されており、特別に親日映画ではないとしても反日色は皆無である。一つの目標のために民族の違いを超えて協力し合う姿だけが描かれており、彼らの純粋さには心を打たれる。
台湾は時に世界一の親日国などと紹介される ( トルコとどちらが親日世界一かは私には何とも言えないが )。それでも同国の日本語世代が詠んだ短歌が『台湾万葉集』としてまとめられていると聞けば切なく申し訳ない気持ちにさせられる。わが国は旧植民地に世界一の親日国と世界一の反日国を持っていることになるのだろうか。
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