オランド仏大統領の「フランスは戦争をしている」との発言が過剰反応との印象を与えているが、第一次世界大戦中に首相になったクレマンソーが就任演説で「私は戦争をする」と三回?繰り返した故事に倣ったものだろう。上下両院の合同会議をわざわざベルサイユ宮殿で開催したのもフランス革命の発端となった「( 屋内 ) テニスコートの誓い」に倣ったのだろう。現在が第一次大戦やフランス革命と並ぶ危機だと訴えたかったのだろう。移民反対を叫ぶ国民戦線の伸長を防ぐという裏の動機もあろう。私には日本人が一撃で死者130名、負傷者350?名のテロ被害を受けたとき国民もメディアもフランスより冷静だろうとは思えない。
ロシア研究者の袴田茂樹氏はプーチン政権に厳しい目を向けるどちらかと言えば少数派のロシア通であり、未だにロシアを旧ソ連のように見なす誤りに取り憑かれている産経新聞のコラム「正論」の定期寄稿者である。しかし、今回のテロに関しては「( 軍事対応以外の ) 他の選択肢は思い浮かばない。過激派は確信犯であり、説得や和解策、経済的対応などでその活動をやめる相手ではない。報復を恐れての譲歩は相手を増長させ一層危険だ。『報復の連鎖』を批判する人で有効な代案を提示した人を私は知らない」と指摘している。私にはこれに付け加える言葉は何もない。私には瀕死の重傷を負っても主張をやめないマララのような勇気はないが、彼女や後に続く女性たちを危険に晒す言論に与してはならないと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿