2015年11月16日月曜日

パリの同時多発テロ

パリで大規模なテロ事件が惹起した。イスラム国ISが計画実行したことは間違いないようだ。観光のハイシーズンではないとはいえ、世界一位を京都と競う?観光都市としては打撃は小さくない。何より市民の不安には同情を禁じ得ない。

今回はムハンマドを揶揄したメディアが襲われたのではなく、無関係の市民が被害者である。今朝の毎日新聞の第一面には「『西洋文化』が標的」との見出しで、今回の攻撃目標がロックミュージックの演奏会場やアルコールを供するレストランやヨーロッパの人気スポーツのサッカー場であった事実を指摘し、「テロは西洋の価値観を抹殺しようとしている」とのフランスの犯罪学者の発言を紹介している。事態は一層深刻であると言える。

イスラム国ISにすれば爆撃下のラッカの惨状はパリと同等ないしそれ以上だと言うかもしれない。しかし彼らは同じアラブ人を宗教や宗派の違いを理由に殺害したり奴隷化している。してみれば、西欧列強による植民地化への怨恨は彼らの蛮行の真の理由ではない。ほんらい中東が人類文明発祥の地であることを示す世界に誇るべき古代遺跡や遺物を破壊するに至っては、自らの文化遺産でもイスラム文化以外を許さないことを宣言するに等しい。

幸いわが国は中東から遠く、ヨーロッパほど脅威に晒されているわけではないが、かつてムハンマドを揶揄したラシュディの詩を訳した筑波大教授 ( 助教授?) が襲われ殺害された事実もある。政府もメディアもフランスへの連帯の表明を惜しむべきではない。テロの波及を恐れて曖昧な態度をとるなどあってはならない。

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