受賞後の二人の発言はどちらも謙虚さが際立っていて立派だったが、一貫して人のために役立つことを目指したという大村氏と、「知の地平を広げる」ことを目指したと語った梶田氏と、研究目的は対照的だった。物理学賞の研究も江崎ダイオードや青色ダイオードのように結果として大いに社会に役立つことはあっても、研究の動機はあくまで未知の物質世界の解明なのだろう。医学生理学賞にも無論その面はあっても実用をも目指すことは、二年前の山中伸弥氏がiPS細胞が治療や製薬などに役立たなければ私のこれまでの研究は何の意味もないと言い切ったとき私も理解した。今回の両賞受賞は両面で貢献したことになり素晴らしい。
大村氏の今回の受賞の原因となった菌は伊豆の川奈ゴルフ場あたりの土から採取されたという。たまたま静岡県を訪ねていた私は昨日朝のNHK静岡のニュースの冒頭が川奈への言及だったことに驚いた。大村氏が山梨県出身とあれば富士山人気を競っている静岡県としてはこれで行く他なかったのか??
じつは一昨日私は川奈にいた ( だから何?)。川奈ホテルに泊まったのでも無ければ川奈ゴルフ場でプレイしたのでもなく、ホテルのすぐ近くの「伊豆高原ステンドグラス美術館」を訪ねていた。私の知っている日本の教会の礼拝堂はむしろ簡素な美を意図したものが多かったようで、それも無論ひとつの見識だが、ステンドグラスいっぱいの礼拝堂も悪くはなく、むしろ小半刻ヨーロッパにいる気分になった。一見を勧めたい。
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