2015年10月27日火曜日

先入観は禁物

今回のマンション不祥事をきっかけに昔懐かしい?ヒューザーの名前がメディアに再三登場した。十年ほど前、耐震偽装の建物を建てたとしてマスコミに一時散々に批判された会社である。私も大半のメディアと同様に、気弱な建築士が注文主の建築会社の意向に抗しきれず不正に加担したのだろうと考えた。いかにも有りそうな話であり、ヒューザーの小嶋社長の悪相と乱暴な言葉使いがそうした印象を強めた。しかし結局、不正な設計をしたのは姉歯建築士の側だと判明した。ヒューザー (と熊本の木村建設 )はむしろ被害者だったのであり、両社はそのためもあって倒産したと聞く。あってはならない「冤罪」事件だった。

以前、小渕首相は自民党内の総裁選によらず党幹部の「密談」で選ばれたというのでメディアはこと毎に首相を揶揄した。しかし残りの任期の担当者を幹部の話し合いで選ぶのか選挙で選ぶかは状況によりその党が決めることだろう。小渕首相の急死がメディアの責任だとは言わないが、全く無関係だと言い切れるかどうか。小渕氏がそれまでの自民党の首相たちより劣っていたとは私には思えない。

その昔、美空ひばりもメディアに冷淡な扱いをされた。私は歌手としての彼女をよく知らないし、知っている僅かな歌も一二の例外を除けば好きでもないが、弟の不祥事 (  暴力団との交際? ) が彼女を叩く口実に利用されたとの印象は拭えなかった。彼女が魚屋の娘だったことが影響したとは信じたくないが..........。最後には彼女の実力をメディアも認めざるを得なくなるがそれまでに長い時間が流れたようだ。

人の評価は棺を蓋って初めて定まると聞く。それは我々がいかに他人の評価を誤り易いかということでもある。存命中に正当に評価されず、後世の歴史家による修正に待つというのでは淋しすぎる。

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