2014年11月7日金曜日

ウクライナ東部の帰属は?

ウクライナ情勢は軍事衝突こそ小規模化しているが、解決には程遠いままにとどまって居る。理想的解決などもはや望み難いが、せめて双方が渋々でも受け入れ可能な解決を探らなければなるまい。

問題解決の第一歩は、ソ連崩壊以後ロシアが味わった屈辱を西側諸国が理解することである。ソ連を中心とするワルシャワ条約機構が消滅したなら、対抗するNATOも解散してもおかしくなかったが、そうならなかったばかりか拡大を続けた。当時米国の国務長官は、東欧諸国を西側に引き込む( 具体的にはEUやNATOへの加盟、特に後者だろう )ことはしないと約束した( 昨夜の『クローズアップ現代』)。しかし、米国は約束を守らなかった。ロシアは当時政治も経済も混乱し反対できる状況になかったし、東欧の諸国民が選挙や住民投票で意志を明らかにした以上、反対できなかった( バルト三国にはロシア系住民も少なくなかったが)。しかしソ連成立以前からロシアの一部だったウクライナの親ロ政権が街頭の暴力により倒されたことはロシアの我慢の限度を超えた( ロシアがこの機に乗じだとも言える。両面あろう)。街頭の若者たちに米国の民間団体が食料を配って歩く映像は(『クローズアップ現代』)ロシアから見れば米国の干渉そのものと映っても無理はない。セルビアからのコソボの分離を武力で助けた西側大国がロシアのクリミア併合に、「力による現状の変更」と非難しても説得力はない。

ウクライナの東部二洲にポロシェンコ政権が三年間の期限付きの自治を認めているが、その先の保証が無ければロシア系住民も不安だろう。根本的解決は容易でないが、最終的には国際監視下の住民投票による帰属決定がベストだろう( 可能性としては既成事実の積み重ねになりつつあるが)。 

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