2014年11月17日月曜日

習近平主席の無作法

北京APECでの習近平主席と安倍首相との顔合わせの際の習主席のニコリともしない態度が注目された。マレーシア航空機撃墜事件で自国民を失ったオーストラリアのアボット首相が、欧米から事件の黒幕視されるプーチン大統領をG20サミットで笑顔で迎えている写真とは対称的だった。外交慣例に反する習主席の態度を不愉快に感じた日本人は多かっただろう。

習主席の非礼とも言える態度の理由は大別して二つあろう。ひとつは中国人の大国主義である。米国に対し中国は再三、「新型大国関係」を口にし、「太平洋は米中二国を容れるに十分な広さがある」と呼びかけている。かつて中国は米ソの大国主義、覇権主義を口を極めて非難したではないか。立場を変えて此処まで大国主義を公然と口にするとは驚きである。

もう一つの理由は、多くのメディアでも指摘されたように内政上の配慮、日本に対して決して心を許していないことを自国民に誇示する個人的必要である。過去の反日教育の結果、習主席は間違っても日本に甘いと見られてはならないのである。対外的にはこれほどの無作法はプラスとも思えないが。

それでも敢えて習主席を弁護すれば、安倍首相に笑顔で応対したのち安倍首相が帰国後再び靖国神社に参拝したら、主席の面子は丸つぶれになるだろう。中国政権の幹部たち( その多くは腐敗と無関係ではないだろう )は今は心ならずも主席の腐敗撲滅キャンペーンに服従していても、機会があれば逆襲に転ずる可能性は大きいだろう。もし日中会談で安倍首相が靖国参拝問題に触れなかったとすれば、習主席は警戒を解く訳にはいかなかったろう。彼の非礼には安倍首相が招いた側面も有るのではと私は疑っている。

韓国の『中央日報』が、今回の日中会談により自国が不利になったとパク大統領を批判したと日本でも報じられた。私にはメディアの過剰反応としか思えないが、習主席がもしにこやかに首相を迎えていたらパク大統領は今の頑なな態度を続けられないだろう。安倍首相はチャンスを逃したのではなかろうか。


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