文部科学大臣を筆頭に自民党の国会議員たちは、教育現場をよく知らないまま、日本人なら日本のことを知らねばならない、日本を知らないから愛国心の無い若者が増えていると短絡的に理解しているようだ。しかし、日本史は中学でかなり詳しく教えられるのに対して、外国史は簡単に触れられるだけである。新聞によれば高校の日本史教員の大半が日本史必修化に反対である。彼らは実情を良く知っているのである。さらに大学進学率が半数を超える現在、大学で文科系学問を学ぶのに外国史の知識は必須であると言ってよい。高校で世界史の授業を受けていない学生を相手とするとき、大学の講義のレベルは確実に低下するだろう。
物事は比較によってより深い理解が得られる。外国史を学ぶことは自国をより深く理解することである。それは我われが外国を旅して初めて日本の良さを実感するのと似ている。日本だけを学んではむしろ偏狭な愛国心を身に付けることになりかねない。自民党国会議員諸氏は、彼らの先輩議員の林健太郎氏が中心となって世界史必修を推進した事実を想起すべきである。
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