2022年2月15日火曜日

フランス極右の親ロシア的主張

  昼食後、テレビ朝日の「大下容子 ワイド!スクランブル」を見ていたら近づくフランス大統領選挙を話題にしていた。聞いていて意外だったのは、マクロン大統領再選に反対する二人の極右候補ルペン氏とゼムール氏が共に大国ロシアのプライドと安全要求を軽視してはならないと、私と同じ主張だったこと(私って極右なの?)。

 19世紀末からのフランスは新興のドイツ帝国に対抗するため伝統的に親ロシアだった。ロシアが共産主義国となりそうした伝統は薄れ、フランスはイギリスと手を結ばざるを得なかったが、第二次世界大戦の初期にドイツ軍の猛攻受けてフランス軍を見捨てて大陸から一時撤退した。イギリスにとってはやむを得なかったし、民間のボートまで動員した撤退作戦の成功は「ダンケルクの奇蹟」と国民的誇りとなったが(アカデミー作品賞の『ミニヴァー夫人』)、フランスにとっては盟邦に見捨てられた以外の何物でもなかった(ジャン・ポール・ベルモント主演の『ダンケルク』)。戦後のフランスが原爆保有に固執したのは大国の地位保持が主目的だったろうが、アングロサクソン不信がそれを強めていただろう。

 第一次大戦は小国セルビアの青年がオーストリア・ハンガリー帝国の皇太子を暗殺したサラエボ事件が拡大して始まった。小国の国民が大国の国民より理性的平和的とは限らない。ウクライナのゼレンスキー現大統領が責任感のある指導者なら(私は懐疑的だが)、大国間の戦争の引き金となってほしくない。衝突の最初の犠牲者は自国民であることを別にしても........。

2022年2月14日月曜日

補足 戦時下の「徴用」の一端

 東京新聞(2月12日)に戦時中の北海道北部の雨竜ダム建設(幌加内町朱鞠内湖)の紹介記事があり、マイナス40度に達する低温と悪い食料事情により「日本人二百人、朝鮮半島出身者五十人が犠牲になった」とある。それぞれの総人数が分からないので比較は困難だが、戦時下の徴用労働としても最悪の部類ではないか。ウィキペディアによると、現場では3000人の「アジア人」が働き、1日あたり最大7000人が労働に従事したとのこと。国力が遠く及ばない戦争をした結果の惨状と言うべきだろう。

2022年2月13日日曜日

公共施設の建て替えへの疑問

 今朝の朝日新聞の「多摩」のページにわが多摩市の隣の町田市に関して「老朽の公共施設 一斉更新困難」「人口減の見通し抱え 郊外都市の将来は」との見出しの記事が載っている。当面の争点は市が団地内の築50年の図書館の建て替えを断念する方針なのに対し、住民の反対の声が挙げられているとのこと。私自身、複数の新聞を読むため多摩市の二つの図書館分室と隣の日野市の図書館を天候と曜日によって使い分けているので反対する人たちを支持したい。しかし、将来の人口減(東京の郊外でも!)を見越して改築を断念するとの町田市の方針も理解できる。

 さいわい多摩市では図書館整理は話題になっていないが、講演や演劇や音楽などの催しに利用されている「パルテノン多摩」という文化施設がやはり築50年を経て改築を計画中と聞く。御大層な名前だが、丘の上に立つ姿をそう名づけた気持ちも分からぬでもない。しかし、私自身非文化的人間なのか50年間に二、三度しか利用していない。

 なにより私が疑問に思うのは鉄筋コンクリートの堅牢な建物が同じ建築年数のプレファブの我が家より早く建て替えとなる不思議さである。我が国ではコンクリート建築の寿命は50年が基準とされると聞く。付帯設備の老朽化が理由の場合もあろうが、物理的にそれほど老朽化するとも思えない。同じ理由で民間のマンションも数十年で建て替えの運命なら国富の大変な無駄である。地震大国の我が国は石や煉瓦造りのヨーロッパ建築のようにはいかないとしても、それでは町村の木造の社寺にも劣る。本当にそうなのか。

2022年2月8日火曜日

戦時下の朝鮮人集落

  北京冬季オリンピックの開会式を丁寧に見てはいなかったので私自身の記憶は無いが、昨日の東京新聞によると中国代表団の入場に際し同国の56の少数民族の代表がそれぞれの民族服を着て行進した。ところが朝鮮族の代表がチマ・チョゴリを着用したのに対し、「韓国の主要な野党がそろって『文化の侵奪だ』と反発している」とのこと。中国政府の計算はともかく、同国内の朝鮮民族が民族衣装を着て登場することがなぜ怒りの原因となるのか、私の理解を超える。

 佐渡ヶ島の金鉱山跡の世界遺産申請に対し韓国が、同胞の強制労働の場との理由で反対している。伏線として数年前の長崎の「軍艦島」の炭坑の世界遺産認可に際し日本が強制労働の事実を明示するとの約束を守っていない事実があるとのこと。当時は日本人の成年男子も「徴用」の対象だったので、殊更に「強制労働」と呼ぶのはどうかとも思うが、地元が世界遺産指定を目指して明示の条件を呑んだのならそれを守るのは当然だろう。

 戦時中の疎開先で私は朝鮮人の同級生2人と同じ教室で学んだし、彼らの住居は学校の目の前のバラック建ての集落だった。2人は体格も良く気も強かったためかイジメの対象ではなかったが、敬して遠ざけるという感じはあった。したがって朝鮮人集落に立ち寄る同級生は居なかったが、私は都会からの転入生として似た立場だったので、同級生宅に立ち寄りたいへん歓迎された。住居もバラックとはいえ新しいので清潔な感じだった。しかし、男たちの仕事は工場建設のための土木工事で、日本人が就きたがらない仕事だったとは思う。

 私が知る朝鮮人集落の生活は働き盛りの人たちが中心のためか活気があった。しかし、佐渡金山での彼らの生活がどうだったかはなんとも言えない。同じだったと願うばかりである。

2022年2月2日水曜日

ロシア国民をプーチン支持に追い込むバイデン氏

  今から40年以上も前、私は旧ソ連のある行動に納得できず、同じ職場のロシア史が専門の今は亡き長老教授に対してソ連批判を口にした。ソ連共産主義に批判的な同氏は、当時の「進歩派」から「反ソ反共派」とそしられた研究者グループの有力メンバーだった。私は当然に同感の言葉を予想したが氏は、「いや、ロシア人の対外警戒心には理由がある」と古くはモンゴル人の侵入と支配の300年 (ロシアでは「タタールのくびき」と呼ぶ)からナポレオンやヒトラーの侵入などを例にその時のソ連の行動を弁護された。

 ウクライナをめぐるプーチンのロシアの行動を中世まで遡って弁護するのが正しいかは別として、現在のロシアを警戒の眼ばかりで見るバイデン政権には賛成できない。同じく強権政治と言っても複数政党が存在し国政選挙も行われるロシアと、中国や北朝鮮のように一党独裁で制度上も政府の上に共産党が存在する国と同一視するのは正しくない( 中国や北朝鮮へのバイデン政権の姿勢には私は賛成する)。ロシアが長大な国境で接するウクライナの動向を警戒するのは不当ではない。

 幸い? 同じNATO加盟国でもフランスとドイツは微妙にバイデン政権と距離を取り始めたようだ。フランスは冷戦時代に米国が推進する西ドイツ再軍備に抵抗した過去を持つ(それでもドゴール大統領はキューバ・ミサイル危機のような決定的瞬間には米国を躊躇なく支持した)。マクロン大統領も米露間の調停役というフランスの伝統的立ち位置を意識し始めたのか。バイデン政権の対露政策は客観的には国の安全はプーチンにしか頼れないとロシア国民に思わせる効果を生むだろう。

2022年1月31日月曜日

二つの資本主義?

 朝日新聞の土曜付録 beに『下町ロケット』の著者池井戸潤氏の「日本の工場」視察シリーズの第一回として農業トラクター製造で知られるクボタの主力工場(つくばみらい市)が2ページにわたり掲載されている。それによると2700人の従業員が勤務する同工場では30秒足らずの間にエンジンを一台作る。基本は2種類だが注文に応じ3200種類のエンジンを単一の生産ラインで作る。それらは自社の農業機械用の他に7割は他社に提供される。農業従事者は別とし私のような都会住民は、トヨタの自動車生産台数が世界一になったとメディアを通じて知っているが、農業機械を主に生産するクボタの実態や評判を耳にすることは殆どない。この分野で世界的企業が我が国で育っていることを初めて知る人は多いはず。

 農業機械のクボタと同様に土木建設機械製造ではコマツが世界の巨人となっていることを知る人は多くないのではないか。今から数十年以上前、米国のキャタピラー社が日本に進出すると新聞で知ったとき、この世界的企業に日本の土木機械製造業は席巻されると思った。それが今では地位が逆転しているのではないか? 戦後間もない頃、その権威で法王と呼ばれた一万田日銀総裁が我が国は前途が真っ暗な?乗用車生産を断念すべきだと発言した。その予言を覆したのはトヨタをはじめとする日本の自動車企業である。

  折りしも朝日新聞が一昨日まで5回にわたり「強欲の代償」と題してボーイング社の内実を暴く企画記事を載せた。最近二度にわたり同社の737MAX機が墜落事故を起こし1年10個月間就航禁止となった事実は記憶に新しい。航空機製造業の文字通り巨人である同社が部品の下請け依存(それは何処も同じ)はおろか安全設計まで社外に依存して株主の利益向上に狂奔したことが事故につながったとの結論が事実とすれば恐ろしく、最近の米国流の「株主(優先)資本主義」の不健全も極まれりの観がある。我が国の製造業にとって他山の石となって欲しい。 

 

2022年1月25日火曜日

訂正

  書いたばかりで訂正となるが、「検討中としか」は「検討中とは」の誤り。悪しからず。