我が家から数キロ離れた多摩動物公園で鳥インフルエンザに罹った鳥が発見され、公園全体が休園となった。高齢の我が家は困らないが、休園が長びけば春休みにも及び、子供のいる家庭の中には失望するケースもあるだろう。
動物園の鳥と違うが、採卵用の鶏の大量死が続いている。それも1箇所で100万羽を超える大量処分が発生しており、全国ではいまや1000万羽を超え、我が国の採卵鶏の1割に達するとのこと。その殺処分や拡大防止のための活動に必要とされる多大の労働量もさることながら、消費者としては鶏卵の値上がりが心配である。
こうした事態の発生により我々に明らかとなったのは「農業の工業化」とでも呼ぶべき事態である。鶏への給餌は勿論、卵も溝に転がり出るよう鶏舎が設計されている。そうでなければ一施設で何十万羽も飼える筈がない。鶏だけではない。牛の飼育農家の効率化も同様であり、搾乳も給餌も実情は工場に近い。そしてこちらは飼料の値上がりにより大きな打撃を受けている。
病気による鶏卵の値上がりは我々は甘受するほかない。これに対して畜産農家の苦境はウクライナ戦争による飼料の不足や値上がりによる。「工業化」の意外な弱点である。戦争の愚かさの伝承が世代を越えることの難しさをあらためて感じさせられる。
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