2022年6月4日土曜日

「国恥地図」の示すもの

  昨夜のTBSの『報道1930』は「国恥地図が秘めた中国 '' 失われた帝国 ’’  習氏国家観の原点」と題され、中華民国初期つまり蒋介石政府が流布させた「国恥地図」と題された地図が主題。東アジアは日本やフィリピンといった島国を除いて、北は旧満州のさらに北のロシア極東地方から、南はインドシナ半島、西は西域諸国まで赤い曲線で囲まれた「中国」地図であった。中国が最大版図を誇った清国時代から後に失われた地域はすべて回復されるべき旧領土なのであり、習近平の「中国民族の偉大な復興」の中身は共産主義中国の独創ではなかった。それが中華思想というものか。近代の「国民国家」とは全く異質な国家観と言うほかない。

 我が国はこれまで文化的には中国の深い影響を受けてきたが、幸い海で隔てられ政治的には独立を保ってきた。しかし数年前、習近平が太平洋は米中二国を容れるに十分な広さがあると語ったと報ぜられた。ソロモン諸島など太平洋の島嶼国家群への中国の接近は、太平洋の東半分が米国の勢力圏なら西半分は中国の勢力圏であっても当然と考えた結果なのか。

 

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