2022年6月18日土曜日

日韓関係の改善の好機会

  東京新聞(6月16日)のコラム『筆洗』(朝日新聞の『天声人語』にあたる)によると、デンマークとカナダの間で多年にわたり係争点となっていた前者のグリーンランド島と後者のエルズミア島の間の無人のハンス島が、両国間で分割する事で解決を見た件を取り上げている。領土帰属問題となると双方が冷静さを失うケースが圧倒的に多いのに、このケースはこれまで「世界一友好的な戦争」と呼ばれ、今回一滴の血も流す事なく解決したという。もともと自然条件の厳しい北極圏の小島だったことが解決に貢献したことは言うまでもないが、尖閣列島も竹島も無人島で、後者は飲料水にも事欠く筈。それが2国間関係のトゲとなっているのはどう見ても賢明ではない。

 私は尖閣列島と竹島について歴史的経緯に詳しい訳ではない。前者については戦後は米軍の管理下にあったということなので日本の主張に歩があるのだろうと思う程度だし、竹島の歴史に関してはそれ以上に無知である。しかし、竹島を日本領と正式に主張したのは日露戦争の勝利後と聞くので、韓国の主張に根拠が皆無とも思えない。思うに日韓両国の間でその時の力関係によって帰属が変わってきたのではないか。

 いずれにせよ水資源もない岩山の竹島を奪い合うのは愚かだし、漁業資源が目当てなら両国間で漁場を分割すればよい。韓国の新政権は日韓両国関係の改善を目指している。「慰安婦問題」など他にも解決困難な事案もあるが、領土問題という最もセンシティブな問題で妥協できれば他の懸案にも好影響をもたらすだろう。両国とも孫子の代まで対立を引きずって良いはずがない。

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