NHKのクローズアップ現代で「宝の山をどう生かす 飛躍のカギ」という題で最近のわが国の林業を取り挙げていた(9.15)。題名と異なり問題山積の現状の紹介との印象だった。
国土の三分の二が森林であるわが国の林業は1960年代に木材輸入が自由化された結果、東南アジアからの輸入が激増し、略奪的皆伐を蒙った国もあると聞いていた。その後とりわけ1990年代から木材価格が下落し、国内の林業は大きな打撃を受けた。ところが最近、米国の金融緩和の結果住宅建設が著増し、我が国でも木材価格が高騰した(ウッドショック)。従来は価値が無かった細い木材もチップとしてバイオマスの原料として利用が拡大したという。
林業不振の長い期間、政府は林道建設や大型機械(1000万円もする)導入への助成など支援に手を尽くしたようだ。しかしそれが手っ取り早い皆伐を生み、土砂災害の原因ともなっているという。若者にとって必ずしも魅力的とも言えない(厳しい労働)林業が長い不振ののち木材価格の上昇という明るいニュースと予想していたら、皆伐や盗伐による土砂災害という暗いニュースが番組の主旋律のようだ。これまで林業不振の報道に心を痛めていた私にとって皆伐の問題点への警告も大切だが、林業が生業として成り立つことも国土保全の前提ではなかろうか。日本の林業の現状報告として片手落ちでないか。拍子抜けだった。
訂正。 前回のブログで「法人向け」としたのは「邦人向け」の誤り。転換ミス!
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