2020年4月4日土曜日

古関裕而の時代

作曲家古関裕而がモデルであるNHKの朝ドラ『エール』が始まった。主人公は未だ小学生だが、受け持ちの先生に音楽の才能を発見されたことになっている。その真偽は私には確かめようがない。

昭和ひとけた生まれの日本人には古関裕而作曲の数々の歌は忘れようにも忘れられないほど心に残っているのではないか。『暁に祈る』『露営の歌』をはじめとする彼の戦時歌謡=軍歌は従軍兵士にも好まれたと聞くように、どこか哀調を帯びており、戦意を鼓舞するものでは必ずしもなかった。

それでも戦後、彼は戦時中の作曲活動に忸怩たるものを感じていただろう。『長崎の鐘』にはその気持ちが込められているように感じる。その他、『君の名は』のテーマ曲や『オリンピック・マーチ』など数々の記憶に残る曲を彼は残した。私自身は夏の甲子園野球大会の歌『栄冠は君に輝く』が一番の好みである。

これ迄の朝ドラ同様、福島市内の「古関裕而記念館」に多くのひとが訪れることになるだろうか。私は2年前同館を訪れた。しかし、画家の記念館はふつう多くの作品を展示しているのに対し、作曲家のそれは遺品や楽譜などの展示が主で、千葉県の御宿の『月の砂漠』記念館のように単一の曲の場合はともかく、それほど感興を呼ぶものではなかった。

それはともかく、古関裕而は昭和の音楽界に巨きな足跡を残したひとであり、私も今後の毎朝の『エール』を欠かさず観ることになるだろう。

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