2020年3月20日金曜日

森友事件の闇

コロナウイルス問題が目下の最大の案件だが、最近は他にも植松被告に対する死刑判決、父親による我が子への虐待への判決など新しい記事ネタに事欠かない。どれも小さな案件ではないが、森友事件で文書改ざんを強いる上司との板挟みになって自殺した下級官吏の手記の公表は痛ましい限りである。

その上司が当時の本省の佐川理財局長だったことは当時から知られていたが、検察は彼を起訴せず、検察審査会もそれに異を唱えなかった。いちおうの法的決着がついている以上、残された家族による損害賠償請求しか方法は無いのかもしれない。佐川元局長の執拗な文書改ざん要求が安倍首相の軽率極まる「無関係」発言を正当化するためとの疑いは濃い。役人の世界は清張の『点と線』の時代から変わっていないのか。

ところで、自殺者の手記は『朝日』に要旨が、『毎日』に全文が掲載されているが、大きな違いがある。手記全文では末尾に「この事案は、当初から筋の悪い事案として、本省が当初から鴻池議員などの陳情を受け止めることから端を発し、.........課長クラスの幹部レベルで議員等からの要望に応じたことが問題の発端です」とあり、他にも記事中にそれが言及されているのに対し、要旨にはこの箇所は省かれ、むろん記事中の指摘も無い。森友事件では記録の改ざんの追求も大変大事だが、十億円近い不正値引きの原因追求は『朝日』にとっては大事ではないと読めないでも無い。

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