間違ってもこの喜びを短命に終わらせたくない。若者たちの「五大要求」は逃亡犯条例の撤回しか実現していない。キャリー・ラム行政長官の辞任もあって当然である。本土政府の要求を拒めなかったとしても、政治は結果責任を負う。これほどの不評を買った以上、留任は下策である。
他方、若者たちは五大要求の完全実現をこれまで以上に強く要求したいだろうが、それに固執するのは賢明かどうか。警察処罰と言っても警官たちは自らの信念に従ったというよりも上位者の命令を拒めなかったと考えるべきだろう。親中派の商店などの破壊は止めるべきだし、ボイコットも賢明とは思えない。今は香港人が相互の違いを克服し、団結して本土政府に対抗すべきである。相手は強大であり、隙を見せてはならない。
本土政府の今後の動きは予測困難である。しかし彼らも本心では恐怖を拭えないのである。近代中国では平和的な政権交代の経験はなかった。今後もし紆余曲折のうえ香港人が平和的政権交代の実例を示すなら本土政府の抱く恐怖も少なくとも軽減する可能性はある。まだるっこしい限りだが、天安門事件の再現は何としても避けるべきである。
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