2019年11月15日金曜日

香港情勢の悪化を避けるには

香港の政治情勢は悪化の一途をたどっている。抗議運動の若者たちと警察との対立はいまや肉弾戦の様相を呈しており、デモ隊側に死者も出ている。一身を賭しても香港の自由を死守するとの若者たちの決意には頭が下がる。しかし私は市民の日常生活に大きな支障をきたす暴力的反政府行動には賛成できない。とりわけ交通機関などへの破壊行為が続けば市民の共感も薄れよう。世論の分裂はいま中国が最も期待するところだろう。そうなれば武力介入の口実にできる。

警官の過剰な実力行使が若者の怒りを買っている。しかし警官の大多数は上からの命令に従っているのであり、内心では苦しんでいると思う。彼らの英領時代からの市民感覚はまだ完全には失われていないと思う。じじつ本土の警察ほどには手荒ではない。警官の発砲も最初のケースは同僚の生命の危険を阻止するためと映ったし、最近のケースも恐怖に駆られてとも感ずる。

デモ隊の列に星条旗も散見される。しかし米国民がどれほど香港に同情を寄せても口頭での激励以上の介入など期待してはならない。内政不干渉の原則もあるし地理的不利一つをとっても不可能である。冷静な状況判断は欠かせない。

すでに資力のある香港人はマレーシアへの移住を計画していると聞く。同文ということでは台湾がベターだと思うが、中国が台湾統一を呼号する以上、安住の地とは思えないのだろう。歯がゆいことだがわが国には香港からの亡命者や難民を暖かく迎い入れることしか出来ない。

P.S.   私が交通混雑に巻き込まれたラグビーの2試合を日本チームの対戦時と書いたが、日程からして前の1試合は他国同士の対戦だったようだ。それでもすごい混みようだったから驚きである。メディアの宣伝に乗せられたか、同胞の「おもてなし」精神のゆえか。後者と思いたい。

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