2019年10月8日火曜日

『いだてん』の時代

最近二回分のNHK日曜時代劇『いだてん』を録画で見た。じつは同ドラマを見るのは初めてである。評判が良いとは聞いていたのだが、ストーリーにそれほど関心が持てなかったのと、主演者で金栗四三役の中村勘九郎がひいきで無かったこともある。先週ぐらいから主役が阿部サダヲ ( なかなか味がある役者だ ) に変わったらしいことも見始めた一因である。

NHKが来年の東京オリンピックを盛り立てたいと考えて企画したとは思わないが、日本 ( と言うよりアジア ) に最初のオリンピックを招致するために努力を傾けた人たちの物語は或る意味で昭和史そのものである。

太平洋を横断する船旅に13日を要した時代にヨーロッパ生まれのオリンピックを日本に招致することがどんなに大変なことだったか。ようやく誘致に成功したというのに愚かな軍人たちが起こした愚かな戦争のために返上を余儀なくされ、選手たちの何人かは戦地で果てた。

最近の巨大化し商業主義に染められたオリンピックの招致に私は全面的に共感はできない。しかし、それでもオリンピックが「平和の祭典」であることは否定できない。現在とは比較にならない困難な時代にオリンピックの招致に尽くした人たちの努力は顧みられるべきだろう。


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