2019年6月4日火曜日

日本共産党の天皇制容認

今朝の新聞各紙によると日本共産党は、昨日志位委員長名の文書で女性・女系天皇の承認 ( つまりは天皇制の承認 ) に踏み込んだ。同党は30年前の平成発足の際の賀詞に反対し、今年3月の平成天皇在位30年を祝う賀詞にも「過度に天皇を礼賛するもの」( 私もそう思う) として欠席したが、先月の新天皇の即位を祝う賀詞には賛成していた。したがって今回の「天皇の条項を含め現行憲法を遵守していく」との説明は正常な進化?とも言える。

たしかに歴史上君主制が民主主義の発展にとって障害であった事例は事欠かない。しかし世界で現在最も民主主義的なヨーロッパでいくつもの国が君主制を維持していることは時代が変わったことを示している。むしろ君主制は一等独裁や宗教独裁の危険を回避ないし一定程度緩和する効果があると言えるのではないか。

昭和前期の我が国ではソ連が指導するコミンテルン ( 共産主義インターナショナル ) の指令 ( 各国共産党は規約上その支部であった )に従い共産党は君主制の廃止を掲げさせられ、そのため多くの犠牲者を出した。他国の実情を知らぬモスクワの指令の方にこそ問題があった ( 最も早い指摘のひとつは松田道雄 『わたしの読んだ本』岩波新書 )。君主制と言っても国により様々だが、少なくとも全体主義イデオロギーや宗教原理主義への防止効果があるとすればその存在意義を認めてよい。もし日本共産党の転換が戦術的なものでなく、そうした理解に基づくものならばわたしは全面的に賛成である 。もっと早くても良かったとは思うが.........。

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