たしかに歴史上君主制が民主主義の発展にとって障害であった事例は事欠かない。しかし世界で現在最も民主主義的なヨーロッパでいくつもの国が君主制を維持していることは時代が変わったことを示している。むしろ君主制は一等独裁や宗教独裁の危険を回避ないし一定程度緩和する効果があると言えるのではないか。
昭和前期の我が国ではソ連が指導するコミンテルン ( 共産主義インターナショナル ) の指令 ( 各国共産党は規約上その支部であった )に従い共産党は君主制の廃止を掲げさせられ、そのため多くの犠牲者を出した。他国の実情を知らぬモスクワの指令の方にこそ問題があった ( 最も早い指摘のひとつは松田道雄 『わたしの読んだ本』岩波新書 )。君主制と言っても国により様々だが、少なくとも全体主義イデオロギーや宗教原理主義への防止効果があるとすればその存在意義を認めてよい。もし日本共産党の転換が戦術的なものでなく、そうした理解に基づくものならばわたしは全面的に賛成である 。もっと早くても良かったとは思うが.........。
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