2019年6月2日日曜日

諏訪湖雑感

5月末日、私用で上諏訪温泉の「かんぽの宿」に一泊した。諏訪湖を見下ろす丘の斜面に宿はあり、諏訪盆地が岡谷まで一望できる。

朝のうちは雲が晴れず、右手の岡谷の町だけに日が差していたが、やがてほとんどの雲が退散した。自室からは画面に電線が入ってしまうのでカメラを持って最上階の展望室に移動した。シャッターを1、2回押したところにホテルの従業員 ( 機械保全の担当?)が来たので、眼下の小島 ( ずっと小さいが宍道湖の嫁が島に似て数本の木が生えている ) の名を尋ねたら初島とのこと。例年8月15日の湖上花火大会には打ち上げ基地になると教えてくれた。

最近は地方の人口減少が問題になっているが、諏訪盆地に関する限り昔と比べ物にならないほど拡大発展している。そのことに話題が及んだら従業員は湖岸の家並みを指して、かつてはあの辺りは湖中だったが天竜川の流出口の辺りを削って湖の水位を下げた結果、現在の町並みが可能となったと教えてくれた。

むかし評論家の大宅壮一が、長野県人はその勤勉さで日本人の典型であると書いていた。それに倣って言えば諏訪盆地の人々は勤勉な長野県人の典型と言えるだろう。以前、木曽出身の長野県人が、「諏訪の人間は賢いから」と語ったと従業員に紹介したら、意味深な言葉ですねと返された。 「賢い」とは本来は皮肉をこめた言葉ではなかったろうが、確かに賞賛一辺倒ではなかったろう。

この「かんぽの宿」は他の2箇所の同類とともに本年中に閉鎖される。他所と比較しても眺望も部屋も水準以上と思うのだが。やはり、武士の商法だったのだろうか?

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