それに比べて新聞各紙で地味な扱いだったが、衆議院で天皇在位30年に対して感謝と慶祝の意を示す「賀詞」が共産党を除く全党派の賛成を得て議決された。同党の反対理由は「過度に天皇を礼賛するもので、国民主権の原則に照らして賛成できない」というものである。
最も詳しい記事を載せた『産経 』で「賀詞」の原文を読む限り確かに礼賛一方だが、30年間の両陛下の行動に照らせば「過度の礼賛」とまで言えるかどうか。共産党の主張は国民一般の受け取り方に反するかもしれない。
しかし私は、日本共産党がときに示す独善的単独行動に賛成するものではないが、今回に限って言えば同党の反対 ( 欠席 )で「全会一致」とならなかったことは良かったと思う。少なくとも皇室に対しては批判を控える風潮がメディアを中心に社会に無いとは言い切れない以上、今回反対意見が明示されたことは我が国の民主主義が健在であることを世界に示したと思う。皇室問題であれ、ジェンダー問題であれ、民族差別の問題であれ、冷静な意見表明までタブーとするのは極めて危険な風潮である。
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