2019年2月8日金曜日

中国移民に揺れる豪州

先日 ( 1月29日 ) 放映され録画しておいたNHKのB1スペシャル「静かな侵略  中国新移民に揺れるオーストラリア 」を見た。現地の放送番組の紹介である。

オーストラリアは第二次大戦後も白豪主義 ( 白人以外の移民は歓迎しない ) を取っていたが、その後は人種差別とみられることへの反省か、各人種に門戸を開いていた。しかし最近は逆流が起こっているという。それにしても「Silent Invasion 」とは穏やかでない。

逆流を誘発したのはいまや総人口の5%を占めるという中国人の流入である。番組ではそれが顕在化した南のタスマニア島の州都?ホバートを取り上げていた。同市はこれまで世界各国が南極大陸への補給基地として利用してきた。中国は先進国との30年の遅れを挽回するため自国の南極基地を4箇所から5箇所に増やしつつあり ( 南極海に人工島を計画とも ) 、そのためもあってかホバート市議会に初めて中国人移民の候補 ( 女性 )を立てた。

最近、世界の有名大学に「 孔子学院 」が設立され、文化的侵略や中国外交の道具ではないかと警戒されているが、ホバートでは中国人の仏教寺院がその役割を担っていると見られている ( 同国では留学生も選挙権を持つ )。

中国の影響力はむろんタスマニアだけではない。オーストラリア労働党の次期党首とも目された親中派の有力議員が中国移民から資金を提供されていたことが発覚し、政界引退を余儀なくされた。タスマニアには中国資金によるゴルフ場や空港建設の計画もあり、中国人移民の候補は落選したが当人はさして落胆の様子はなかった。

ヨーロッパでも移民人口が国民の数パーセントを超えると国民の警戒心を掻き立てると聞く。移民国家オーストラリアも例外ではなかった。まして中国が国際司法機関の判決を無視する政治的軍事的大国であることが一層の警戒心を掻き立てるのは理解できる。

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