私自身は安田氏がシリアで被った苦難を思えば無事帰国となり本当に良かったと思うが、メディアに溢れる自己責任論「批判」には違和感を覚える。安田氏自身が「批判、検証をいただくのは当然。紛争地に行く以上は自己責任」( 『東京新聞』11月3日 )、「自業自得」とまで答えている。今の時点ではそう言う他なかったろうが、それが本心では無いとは言い切れない。同氏が捕らわれた時点では既に後藤健二氏と湯川遥菜氏の無残な処刑が知られており、日本政府の渡航禁止措置は十分の根拠があった。
一部の新聞に「謝罪不要」との外国人記者の発言を紹介しているが賛成できない。安田氏の釈放のため身代金が支払われたかは現在のところ不明である。仮に支払いが無かったとしてもカタールやトルコが仲介の労を取ったなら、両国は日本に恩を売ったと考えるだろう。中東諸国間の複雑な対立関係で日本の立場に障りがないとは言えない。もし身代金が支払われたならそれが過激派に利用され、何倍もの犯罪を生むかもしれない。報道や取材の自由は最大限尊重されるべきだが、結果責任は負わねばなるまい。
0 件のコメント:
コメントを投稿