今日ほぼ出そろった新聞各紙の主張は大きく分かれている。日ごろ安倍内閣を擁護する『産経』が「 日本が追求すべきは、不法占拠された4島の返還であり、空疎な「平和条約」ではない」と譲歩に絶対反対なのに対し、日ごろ安倍内閣に極めて厳しい『東京』は「最後の好機を逃すな」との見出しで「トップ交渉23回、この積み重ねが水泡に帰するのはあまりに惜しい」と、心ならずも?安倍擁護と取れる主張である。
三大日刊紙では『毎日』が、「共同活動が行き詰まった」以上、「56年宣言に立ち戻るのは止むを得ないだろう」と消極的でも支持なのに対し、「拙速な転換は禍根を残す」との『朝日』は『産経』に近い。「国民が納得できる説明をするのは当然の責務だ」( 同紙 ) は自社の判断を示さず国民に責任転嫁していると読める。『読売』の「国民にかなう決着を目指せ」も同工異曲である。「国民にかなう」のはどちかは言わない。両紙とも巨大メディアのズルさと言うべきだろう。
私自身は理性的には「最後の好機を逃すな」との『東京』に傾くが、感情的には北方領土の7%でしかない2島返還での妥協は面白くない ( ロシアには大国の器量はないのか!)。「( 2島返還に ) 安倍首相がこだわるのは自分の実績にしたいから」( 岩下明祐九大教授 『朝日』)を頭から否定はしないが( 吉田茂、田中角栄に並びたい?) 、国民の支持も見込めず右翼の猛反発が予想される ( テロすらあり得る ) 決断をこれまで誰も避けてきたことも考慮して良いのではないか。
0 件のコメント:
コメントを投稿