私は問題の週刊誌記事を読んでおらず、新聞やテレビで紹介された次官発言だけでセクハラの程度を云々したくない。言われた場所や状況によっては戯れ言の類いのようでもある。ただ、これが最高学府をおそらく最高の成績で卒業した人の発言としては全く品位に欠けるといえばその通りだ。見方によっては国辱ものとも言える。
他方、抗議した記者やテレビ朝日は何故ただちに問題としなかったのかとの疑問はある。セクハラ発言は数回にわたったらしいが、二人だけで飲食すればそうなると記者には途中から分かっていたはず。「記者という職業上、相手の懐に入るためには少々のことは我慢すべきだという空気が業界に蔓延していることも推察される」との森岡孝二・関西大学名誉教授の発言 (『産経』4月20日 ) が、女性記者にも彼女の上司にも当てはまるのだろう。
テレビ局側の、女性記者への「二次被害」への警戒との言い分も私は嘘だとは思わない。しかし結果として他のメディアに持ち込まれたことで報道倫理にさらに違反したと言えないだろうか? 少なくとも「取材対象者は、記者が属する媒体で報道されるとの前提で応じている」(『読売』4月20日 ) だろう。「セクハラに近い文言は良くないんですが、でも背景があまり不自然すぎて、なのにみんな正義漢ぶっちゃってどうのこうのと連日言っているのは違和感を感じます」とのデーブ・スペクターの発言 ( フジテレビの「とくダネ」4月18日。インターネットによる ) も一つの見方ではある。ただし、男性によるセクハラ一般を社会に問題提起するのが女性記者の意図だったなら、話はまったく別だが。
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