2016年11月27日日曜日

フィデル・カストロの死

約半世紀間キューバの最高指導者だったフィデル・カストロが亡くなった。彼の政治姿勢に関し今朝の『朝日』の社説 ( 他紙は社説に取り上げず ) は、かれは「もともと共産主義者ではなかった」「カストロ政権を敵視した米国に対抗してソ連と連携。社会主義体制へのかじを切った」と述べるが、私には浅い理解に思える。かれは当初からソ連共産主義の信奉者だったのではないか。

カストロらによるバチスタ独裁政権の打倒は民主主義を旗印にしたため米国の少なくともジャーナリズムには味方する向きも少なくなかった。しかし、新政権による米国企業の接収などで米国の政府も報道機関もカストロに敵対的になったが、旧政権関係者の処刑などが公正さを欠くと判断されたこともあった。カストロ自身、失敗した第一回の武装蜂起の裁判でバチスタ独裁を徹底して批判したが、のち恩赦で釈放された (米国の働きかけ?)。かれはバチスタと同じ寛容さを政敵に許さなかった。その後キューバで西欧的な自由な選挙が一度でも目指されたとは思えない。

ときに数時間に及ぶ彼の演説は当時のソ連圏指導者たちの通例だったし、キューバは世界で最後まで北朝鮮の金正日体制を公然と支持した唯一の国だった (  中国も公然とは支持しなかった )。キューバ・ミサイル危機に際してフルシチョフソ連首相のミサイル撤去決定にカストロは強く反対したという。毛沢東と同じく彼も億単位の死者でひるむ人間ではなかったようだ。

中南米諸国に極端な貧富の差やひどい腐敗が存在する限りカストロの死を愛惜する民衆が減少することはないだろう。しかしカストロ的方法の有効性は別の問題だろう。

訂正    前回、「真新しい」としたのは「目新しい」の転換ミス。また、「あずさ2号」は狩人の歌の発売当時は新宿発だった。インターネットできちんと調べるべきでした。それにしても何度聞いても良い歌詞、良いメロディです ( 話をずらすな!?)。


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