2016年9月15日木曜日

『東亜日報』の気骨

今朝の『産経』に「慰安婦像移転し日本と協力を   韓国有力紙 異例の『正論』」との見出しで『東亜日報』紙の論説主幹が「北朝鮮の核に対していくために、ソウルの日本大使館前に設置された少女像 ( 慰安婦像 ) を移転させるべきだ」と同紙のコラムに書いていると報じている。

『東亜日報』は1936年のベルリンオリンピックのマラソンで孫基禎選手が優勝した際、孫選手のゼッケンの日の丸を韓国旗に写し変えた写真を掲載し、当時の総督府から11ヵ月の停刊処分を受けた有名なエピソードの他にも9年間に300回の販売禁止を受けた硬骨のジャーナリズムである ( ウィキペディア )。「韓日合意の精神と国際社会の基準に従い、少女像を日本大使館から移転させ....」、「軍事大国の中国がアジアで中華覇権主義で疾走するなか、核兵器もない日本の再武装を憂慮するのは、過去にだけとらわれた見方だ」との主張は間然するところのない正論である。想像だが、これまでも主筆は慰安婦像設置を行き過ぎた行為と考えており、「北朝鮮の核」への対抗は名目なのではなかろうか。何れにせよ同紙の伝統に違わぬ勇気ある発言である。日本の他紙、特に『東亜日報』と特約関係にある『朝日』がこの記事を報道しないのは理解できない。

6月10日の『毎日』に戦時中米軍が三人の朝鮮人捕虜を尋問した調書が記事になっている。「日本支配の過酷さ、米で確認」との見出しだが三人は、「太平洋で目撃した朝鮮人慰安婦は、志願したか親に売られた者だった。( 軍による ) 直接的な徴集があれば暴挙とみなされ、老若を問わず朝鮮人は蜂起するだろう」と答えた。「『金もうけができる』と言われて徴集された就業詐欺が多かったことが判明している」との調書の結論を「植民地支配された朝鮮の貧困」「民族・女性差別の深刻さと同紙は解説しているが、ちなみにイザベラ・バードの『朝鮮紀行』は李朝末期の朝鮮人の生活の貧しさ、不潔さに驚いている。しかし、それが民族性と無関係であることはロシア支配下の沿海州の朝鮮人が見苦しくない生活をしていることにバードが着目していることから明らかである。李朝末期の政治に原因があったということだろう。記者たるものもっと勉強して記事を書いて欲しい。もっとも調書を紹介しただけ他紙よりましとも言えるが。

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