2016年6月15日水曜日

不寛容社会と過剰反応社会

NHKスペシャル ( 6月11日 ) が、「炎上が相次ぐ   ニホン社会が不寛容に!?」とのタイトルで最近の世相の一端を切り取っていた。視聴者アンケートによれば 46%の人が日本が「不寛容社会」になりつつあると答えたという。

さる子供向け学習帳の表紙が46年前から昆虫の大写しの画 ( 写真?)を使用してきたが、気味が悪いとの反発を受け変更したとは聞いていた (  止めても自然界から昆虫がいなくなる訳でもないのに )。秋田の「なまはげ」も子どもを怖がらせるのはトラウマになり良くないとの批判があるとか。ある学校の二宮金次郎像は、歩きながら書を読むのではなく、腰かけて読む像に変えられた。何とも奇妙な金次郎像だったが、「歩きスマホ」が良くない以上、金次郎像も変わらなければということらしい。フォアグラ弁当は動物虐待の産物だとの反対があり、中止になったとか。

そうした「不寛容社会」の出現は裏返せば「過剰反応社会」の出現ということでもある。造る側や売る側が面倒を避けたがるのは商売である以上やむを得ない面もあるが、ある病気 ( ALSとか ) の患者支援のため有名人が頭から水を被る「アイスバケツ」というイベントが売名行為だとの非難を浴びたと聞くと論議なしに中止して欲しくないと思う。

インターネットの普及により誰でも匿名の批判が容易になり、無視できない圧力となりつつある。企業にとどまらず政治や行政もそれに引きずられる過剰反応社会は健全な社会ではないとの強い自覚が必要だろう。

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