私自身は低血圧人間なので数値の心配をしたことが無く、降圧薬を服用したこともない。しかし、我が国の社会保険費の中で医療費が突出しており、その相当部分を降圧薬が占めているならば無関心ではいられない。まして、ノバルティス社と学界ないしその会員との癒着が報道される状況であれば。
高血圧学会や内科医たちが147という数値に反論するのを既得利益の擁護のためとまでは言いたくない。患者の健康を守るためと信じたい。しかし、「安全、美観、費用」で述べたように、安全や健康がどれほど大切でも、費用がどれほどかかってもとまでは言いたくない。例えば暴飲暴食を改めようとしない人の健康費用を惜しんでも間違いとはいえまい。
個人の生命、安全、健康が重視されるべきは当然だが、現在の日本ではそれらが絶対の善とされ、それらを軽視することは許されないといった雰囲気がある。しかし、国家予算に限りがある以上、各部門に軽重があるのは止むを得ない。一方に身障児を抱え、将来を考えると死ぬに死ねない親がいるのに、「広く薄く」が正しいとは言えない。
追伸 昨日の「日経」によれば、先日このブログで取りあげた中国の戦闘機の異常接近も、自衛艦への中国艦のレーダーの照準合せも、現場の暴走の可能性が高いという。後者については当時私は「声」欄に投稿し、上部の判断の可能性は低いと指摘したが、没となった。新聞はその程度の慎重さも無いのか。それとも国民の過剰な安全観に異を唱えたくなかったのか。続報を忘れない「日経」には敬意を表したい。
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