2025年5月26日月曜日

 一部の新聞の言行不一致

  各新聞にはほとんど毎号、識者や関係者の主張が紹介される。どの世代の人の発言か、発言者の年齢が記されていると読者として理解や評価の一助ともなる。ところが女性の識者の場合、年齢が記されていないケースが多いことに最近気づいた。最近の私は腰痛のため図書館分室で各紙を読み比べることが困難になったので『朝日』以外の現状は確認できないが、この男女区別は正当化できるのか?

 発言者の希望で年齢不記載となっているなら理解できる。しかし、大半の女性発言者が不記載を希望したとも思えない。新聞社の方針が女性の年齢不記載の原因ではないのか?

 今夕の『朝日』の夕刊の常設コラムの『取材考記』と『with P lanet』の2人の女性記者の記事が年齢不記載となると、やはり、社の方針が例外を除き不記載なのだと推測される。男女差別の不合理を批判することの多い同紙がどうして男女別扱いをするのか? 自分たちは例外なのか? 不可解極まりない。

2025年5月24日土曜日

 続々 小さな庭の春

  前回、我が家の庭の春を綴った時から2週間足らずで、庭の表情が変化を蒙ったのはやむを得ない。まず、夏みかんの花はすべて散り、鳥も近づかなくなった。庭を我が物顔に飛び回っていた蝶もいつの間にか姿を消した。紫蘭も嘗ての華やかさを失い、今は雑草扱いもされたドクダミの小さな花だけが咲き残っている。

 これらすべての変化が十日余りのうちに起こった。古来、日本人が行く春を惜しんできたのは、むしろ春の期間の短さも一因なのだろう。これからは初夏にかけて咲く花を加えなければ.......。 大好きなゴーヤーの苗を植えるだけでなく.......。

2025年5月16日金曜日

独裁の緩和装置としての君主制

 ビルマの軍部によるクーデターにより文民政権が打倒されて以来、同国は深刻な内乱状態にあり、先日の国難とも言うべき強い地震もこの対立を緩和しなかった。軍事政権と反軍部勢力の対立はそれほど深刻なようだ。

ところで、軍部によるクーデターと言えばビルマの隣国のタイはこれまで頻繁に経験してきた。現在のタイ政府もその例外ではない。しかし、ここでは軍部と反軍勢力の間の内乱には滅多に発展しなかった。どちらの側もいざとなれば王室が介入してくれると予想できる。しかし、国王のいないビルマではクーデター側は絶対に負けられない。負ければ死刑を含む厳しい処罰が予想されるから。

 これは何もアジアに限ったことではない。ヨーロッパでも1936年に始まったスペイン共和国の共和派政府と保守派の軍部はどちらも外国勢力の助けを借りてまで激しい内乱を展開した(『誰がために鐘はなる』)。  第二次大戦後、スペインでまさかの王制復活を見たのも、苦い経験を二度と繰り返してはならないとの国民的合意があったからだろう。王政が常に政治的対立に中立的とは言えないとしても、国を二分する対立を緩和する効用は否定できない。

2025年5月11日日曜日

続 小さな庭の春

  冬季には全く姿を見せなかった虫や小動物が我が家の狭い庭に姿を見せるようになった。アリはコンクリートのタタキに必ず一匹は見かけるようになったし、今日はトカゲが目の前を横断した。

 アフリカの草原でライオンやハイエナが草食動物を襲う場面をテレビ番組で何度も見たせいか、弱肉強食が動物界の不動の掟だと思い込んでいた。しかし、我が家の庭では一羽のアゲハ蝶が庭を自己のテリトリーとしており、他の蝶はこの3週間ほど全く見かけない。鳥が蝶を必ず襲うわけでもないと知った。アゲハ蝶はひらひらと優雅に飛ぶものと思っていたら弾丸のように飛ぶこともあると知った。

 昔読んだ誰かの本に、ガラガラの早朝の始発電車に座っていたら後から乗車した乗客がいきなり隣の席に座ったら貴方は必ず不安を感ずる。それは人間も他の動物と同様、テリトリーを侵されたと感ずるからだと教わった。虫や小動物も適当な距離を確保すれば弱肉強食の関係ばかりではないのか?  人間もそろそろ他者への過剰な警戒心を捨てられないか?

2025年5月8日木曜日

 大阪万博とメディア

  今日の朝日新聞の夕刊の『取材考記』という名の記者が書く大型コラムに、4月13日に開幕した大阪万博の記事が載っている。これまで新聞を中心とするメディアでは、各国のパビリオンの建設の遅れがたびたび報ぜられていたが、この記事によると開幕に間に合わなかったパビリオンは5ヶ国。「5月1日時点で開館していないのはネパールのみ」とのこと。そうだとするとこれまでのメディアの報道はいったい何だったのか。

 私は過去の万博の歴史に全く詳しくないが、唯一専門と関連する1936年のパリ万博は同年のフランスの左翼政権(人民戦線内閣)の成立にともなうストライキの大波で大幅に遅れ、開場後も工事が続いていた。

 今回の大阪万博の終了までの入場者数のメディアによる予測は、入場券の予約状況では大幅赤字とのことだったが、私は本当にそうか疑った。私自身、半世紀前の大阪万博に特別の関心はなかったが、子供達のため(口実?)結局参加した経験を持つから。

 政界の内幕に詳しくない私にはメディアの冷淡さは自民党政権への反発なのか、開催に熱心だったとされる「維新」への反発なのか分からない。入場者数などの最終結果もまだ分からない。しかし、私は日本らしい木造のサークルなど、その卓抜なアイデアだけでも世界の人々に見てもらいたいと思っている。

2025年5月2日金曜日

小さな庭の春

  私が中学生か高校生の頃(たぶん後者)、国語の国定教科書に永井荷風の『花より雨に』と題する随筆が載っていた。内容は自家の庭の春から初夏までの変化を美しく綴った文章。荷風が『墨東奇談』などの作家であることは無論知っていたが、文章家としても大変高い評価の人であることは当時は知らなかった。

 永井家の庭と我が家のそれと比べるなど身の程知らずにもほどがあるが(時代も違うし)、我が家の小さな庭も数種類の花が今を盛りと咲いている。 夏みかんの木が無数の小さな花をつけているが、中型の鳥(椋鳥? ひよどり?)が毎日朝から枝を揺らしている。花を食べているのか、蜜を吸っているのかは分からない。地上で咲いている花は鉢植えが主だが、いつの間にか生えてきた紫蘭やミヤコワスレも咲いている。青系統(少しでも)の花が好みの私にはどちらも見ていて飽きない。                                     

しかし、草木は庭の主人の意向など気にしないので、今現在隆盛を極めているのは雑草である。その緑色も悪くはないのだが、荒れた庭の印象ではある。と言って除草剤を水に溶いてふりかける気にもならない。すべてなるようにしかならないこの頃である。

2025年5月1日木曜日

 トランプ人気に翳り?

  どの調査機関の報告だったかは思い出せないが、トランプ政権の関税政策に対する米国世論が不支持64%、 支持34%となっていた。これはあくまでも関税政策に対するもので、トランプ政権そのものへの支持率ではない。しかし、大統領選挙での歴史的高支持率を思い起こせば、トランプ人気に翳りが生じているようだ。

 トランプを選挙で支持した人たちは、共和党のコアな支持者を別にすれば、不法入国者への民主党政権の緩い取締りへの不満や、さらにその先の白人支配の終焉への不安が底流にあり、直接には自国産業保護の願望が表面化したためだろう。しかし、どの国民もそうだが、われわれには生産従事者の側面と消費者の側面の両方がある。自国産業の衰退を願うものはいないが、消費者としては輸入品は安いに越したことはない。その上に株式相場の下落をはじめとする経済見通しの悪化など、トランプの手法は市民が思いもかけなかった反作用、それも強烈なそれを生む恐れを感じさせたようだ。ともあれ、トランプ人気の高さにも終わりが来たのではないか?