2024年7月29日月曜日

公団住宅の今昔

  今朝のテレビ放送はパリ・オリンピックの報告を満載(新聞もそれに近い)。私も決して無関心ではないが、とてもすべての種目には付き合いきれず、録画したテレビ番組のうち、八千代市の花見川団地を取り上げたNHKの「マンモス団地を歩いてみれば」(7月26日放映)を見た。元の団地住民として感慨なきにあらずだった。

 私が何回も落選したのち初めて入居した昭和30年代、各戸風呂付きで水洗便所方式の公団住宅は多くの人の憧れの的だった。川口市の先の鳩ヶ谷団地と川越市に近い東上線沿線の霞ヶ丘団地、それに名古屋市東郊の虹ヶ丘団地にそれぞれ2〜3年入居した。都心から遠く、五階でもエレベーターはなく、夏休みのある教員としては五階の天井の熱気は辛かった。しかし、入居者は近い年齢の人が多く、住みやすかった。隣家の大阪出身の若夫婦が大きな音でラジオをつけるのには困ったが、人間関係への影響を考慮してしばらく我慢した。しかしとうとう音を小さくしてくれと頼んだら「さよか」となんともあっさりと音を絞ってくれた。それが大阪流なのか、付き合いに何の変化もなかった!

 閑話休題。現在の花見川団の七千世帯(入居率50%程度)は老人世帯が中心で、昔のような活気のある住宅地ではなく、かつての憧れの団地生活ではないようだった。しかし、家賃は高くないし、外国人など新住民にはありがたい存在であってほしい。

2024年7月24日水曜日

片手では出来ないことの多さに気づく

  月初の日曜日にバスの時間を気にして急いだら、つんのめって左手と右足を痛めた。大抵の病院は休みなので地域病院の緊急窓口の世話になった(治療はしない)。放射線診断の結果は、大きな骨折はないとのことで、今後痛みが増したり体温が上昇したらすぐに専門医に診てもらえということだった。痛みはすぐにはそれほど減らなかったが、別の用事に追われ、週末まで専門医に診てもらわなかった。

 現在は左手にギブスをつけている。治療効果が徐々に現れることを期待じているが、意外だったのは左手(左利きなら右手)の効かない不便さだった。手拭いは片手では絞れないし、左手で押さえていないと右手の効果も半減以下のケースが多い。

 それで思い出したのだが、同業で数年先輩のSさん。かなり早く脳出血の後遺症で片手が効かなくなった上に、やがて夫人に先立たれたが、弱音を吐かなかった。私に不便さを訴えてもどうなるものでもないが.............。私の場合完治するかどうかは別とし、家内の助けはある。それにタブレットという強い味方がある!




2024年7月19日金曜日

トランプ氏より危ういバンス氏?

  米国の共和党大会がトランプを次期大統領候補に選んだのは予想通りであるが、銃撃事件がそれを熱狂的支持に変えた。これでは高齢で頭の回転が鈍くなった(多数の証拠!)バイデンでは太刀打ち出来まい。しかし、私が共和党大会で驚いたのはバンス氏が副大統領候補に選ばれたことである。

 同氏が『ヒルビリー・エレジー』で経済的困窮にあえぐラストベルトの状況を描いて一躍名を馳せたことは私も知っており、邦語訳が出れば読んでみたいとも思っていた。しかし、同書の人気で連邦上院議員になっていたとは知らなかったので驚いた。しかし、その政治的立場はトランプ以上に超保守的なようで心配である。

 メキシコ国境に壁を作って以来、トランプが反移民を売り物にしていることは周知の通り。しかし私の見るところ、彼の反移民を始めとする保守主義の大半は彼の信条に基づくが、同時にそれが白人優位の現体制の後退を心配する大衆にアピールする効果を十二分に計算しているだろう。ところが、バンス氏の場合、そうした政治的計算よりも100%彼の信条に由来する。この見方が正しいとすると、彼はトランプ以上に危険な人物にも思える。これが杞憂なら良いのだが.............。

2024年7月15日月曜日

銃社会の米国

  米国でトランプ前大統領が銃撃された。同国では銃撃死した大統領だけでもリンカーンからケネディまで4人。ほかにレーガンなど危うく逃れた大統領もある。

 しかし被害者は著名人だけではない。米国ではほぼ毎年学校が襲われ何人もの生徒や教師が亡くなっていると聞く。我が国での同種の事件は2001年、宅間守が大阪教育大附属池田小学校で生徒と教員あわせて15人(13+2)を包丁で刺殺して以来、聞かない。厳しい銃規制の有無の違いである。

 それだけ悲惨な事件が絶えないのに米国では市民の銃保持の権利を否定しない。その起源は米国が対英独立戦争に際して市民出身の民兵(ただちに銃を手にして参加するという意味でミニットマンと呼ばれた)が活躍して以来、市民兵制度が伝説化したためと聞く。

 それ以来、今回の様に100メートルを超える距離から対象を狙えるほど銃器が進歩したのに米国は銃保持の権利に固執する。他国の伝統を批判しても時間の無駄と言われれば一言もないが.............。

2024年7月12日金曜日

兄の葬儀

 週初、95歳の兄の葬儀が新大久保のルーテル派の教会で営まれた。当人の年齢からも、また多年愛知県で医院を営んでいた経歴からも親族以外の出席者は考えられないので、不釣り合いな大きな教会堂だったが、久しぶりのステンドグラスの美しさが印象的だった。平瀬家は神道の家柄だったが、先に入信した兄嫁の希望に従い?、兄もキリスト教に入信していた。

 私は式の前日に足を痛めていたので新宿駅からは教会へも中野区の火葬場もタクシーに頼るほか無かった。そのため新大久保の有名な韓国料理や中国料理のレストラン街はタクシーの車窓から眺めるだけだったが、壮観ではあった。

 しかし、久しぶりに郊外から都心それも下町を訪ねて圧倒される思いだったのは、隙間なくびっしりと立ち並ぶ大小の建物群で頭上の抜けるような青空が川のように目に映じたこと。思わず『智恵子抄』の「東京には空が無い」の語句が頭に浮かんだ。

 帰路が通勤ラッシュと重ならないよう、そのあとの食事会は欠席した。十年に一度ほどの親族の集まりに出席できないのは残念だったが、体調からしてやむを得なかった。それでも息子は久しぶりに二人の従兄妹とその家族との再会を満喫したようだ。親族への兄の最後の貢献ではあった。



2024年7月7日日曜日

イランの夜明けとなってほしい

 イランの大統領選で対欧米柔軟派のベセシュキアン氏が保守強硬派のジャリリ氏を300万票差でやぶったとテレビニュースが伝えている。これがイランの国際社会への正常復帰を意味すれば良いのだが、同国には大統領の上に立つイスラム教シーア派の「最高指導者」ハメネイ師がこの結果をすんなり受け入れかは分からない。しかし、イラン国民の意志は明らかとなった。私はイラン国民の快挙と言いたい。

 イランだけでもイスラム教だけでもないが、国家が宗教的規範を国民に押し付けるのは時代錯誤も甚だしい。男性は顎髭を、女性は最低限スカーフを着用しなければならないなど、宗教が個人(とりわけ女性)の自由を束縛するのもいい加減にしろと言いたい。そもそもイランは古代ペルシャの時代、世界でも指折りの文明国だったのに、のち政治的には退化を遂げたと私には思える。それを何とか言いつくろうとする我が国の主流派のイスラム教研究者たちには賛成できない。

2024年7月2日火曜日

 富士登山の季節始まる

  梅雨はまだ明けないが、今日から富士登山が解禁となった。ところが何しろ近年の富士登山ブーム。一番人気の河口湖口からの登山は山梨県が有料化(2000円?)と人数制限(4000人)を導入したと聞く。富士登山には静岡県側にも三つの登山口があり、とりわけ富士宮口は河口湖口とほぼ同じ高度までバスで到達できる。そのうえこちらは入場料も人数制限もないのだが、東京からの交通の便の良さからか河口湖口が人気がある。入山料と人数制限で今年は少しは状況が変わるだろうか?

 登山人数の過剰とともに問題となっているのが深夜に登り頂上付近で朝日(ご来光)を拝む「爆弾登山」である。たしかに短時間での急行登山は健康上の危険を伴う。しかし、富士山の山小屋は昔から数少なく、登山者の一部しか宿泊できまい。したがって「弾丸登山」の制限は登山者の人数制限以上に実行困難ではないか?

 以前にこのブログに書いたが、40年前の私の富士登山も「弾丸登山」だった。山小屋数の飛躍的増加がない限り夜行登山は無くならないだろうし、夏山しか素人にはむずかしい以上、山小屋の大幅増加は望めない。人気があっても無くても困るとは皮肉である。