ほぼ毎日、図書館で他紙(と言っても2紙ほど)に目を通しているが、夕刊までは対象外である。ところが今朝、偶然に昨夕の『東京新聞』を手にしたところ、「2億円トイレ 理念理解を」との見出しの大阪万博のトイレの記事が載っていて同感を禁じ得なかった。
大阪万博当局が会場のトイレ8箇所の設計を若手建築家の競作に委ねた。そのうちの何箇所かは知らないが、1億9千万円のものもあり、壮大な無駄であるかのようにメディアの格好の批判の対象になっている。しかしこの記事によれば、1箇所の便器が数十器といった超大型トイレの話であり、「過去から学び、転用可能に」するなど工夫もなされており、設計者が「(2億円トイレといった)言葉が独り歩きしている」と反論しているという。
大変妥当な記事で、日頃『朝日』以上に野党的な『東京』が? と驚いたが、同紙は他紙以上に日頃から文化面に力を入れている印象で、若手建築家たちの内々の批判を無視出来なかったのだろう。1898年のパリ万博に際して作られたエッフェル塔も同時代のボードレールやモーパッサンに手厳しい批判を浴びたが、今ではパリ屈指の名所となっている(自民党代議士もその前で浮かれてしまうほど!) 文化的価値評価は私の得意では無いが、エッフェル塔ほどパリ再訪を意識させる建築はない。
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