例年、この季節になると桜の開花情報で日本人の心は落ち着かなくなる。無論私もその例外では無い。西行の昔からそうなのかも知れない。
桜前線とも呼ばれるように、一般に日本列島の桜の開花時期は南から北へと北上するのだが、最近知られたように桜の開花時期は寒い時期からの温度差も左右する。私が大学入学のため4月10日ごろ上京したとき、熱海あたりの桜は満開間近の印象だった。ところが、下宿に近い井の頭公園の桜は落花が始まっており、不思議に感じた。
その後というより最近になって河津桜ををはじめとして植えられる桜の種類も各地で増え、桜花の季節も以前ほどには短期間では無くなったようだ。私は日本を訪れる外国人観光客にはぜひ満開の桜を見てほしいと思うので、さらに多種の桜を植えてほしいと思う。
戦前の世田谷の我が家にも桜の木はあった。しかし、戦時中に薪の入手が困難になり、切り倒され風呂の燃料となった(ガスは未だ台所にしか無かった)。そうした状況は我が家だけでも無かったろう。西行には見せたくない光景だった。
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