2022年10月14日金曜日

英語のスピーキング・テストの導入への疑問

  しばらく前から大学入学共通試験(正式名称はよく変わるので覚えられない!)に現行のヒヤリングテストだけでなく、スピーキングテストの導入が新聞などで報道されていた。今回はそれを高校入試にも導入しようという事のようだ。

 日本人の英語が読解能力に比べて会話能力や意見発表能力で著しく見劣りすることは間違いないだろう。だから後者の能力の改善を経済界の要望の反映だなどとする批判には私は与しない。しかし、私はヒヤリングテスト導入には賛成するが、スピーキングテストには賛成できない。

 私の狭い経験かもしれないが、海外の大学でのゼミなどで我が同胞の発言は少ない。これはテーマが欧米から選ばれがちだからではない。日本やアジアの政治や文化を研究対象とするゼミには他の研究分野の日本人の訪問教授や学生も興味を感じて出席することが多かった。しかしそこでも発言を促されるまで黙っている日本人(私を含めて)は多かった。ヒヤリング能力の不足でとんちんかんな意見の開陳となることを恐れるのである。

 ヒヤリング能力がしっかりしていればスピーキングも流暢でなくても時間はかかっても通用するものである。高校入試でも大学入試でもスピーキングテストは出身校の教育レベルの差は勿論、本人の性格(寡黙か多弁か)などの問題を容易には克服できないことを心配する。

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