第1位はこの賞が始まった第1回に受賞した『幸福の黄色いハンカチ』である。米国のポップミュージックの翻案とのことだが、主人公の高倉健と、武田鉄矢と桃井かおりの現代風の若いカップルの対比が絶妙だった。第2位はスタジオジブリの『千と千尋の神隠し』。記憶は定かではないが、同じジブリ作品なら『もののけ姫』の方が私には印象が深い。第3位の『おくりびと』は納棺師という特異な職業の人たちに光を当てたことが興味を引いたし、本木雅弘も好演だった。
第4位『ALWAYS 三丁目の夕日』は高度成長期が始まるころの東京の下町の姿が良く描かれ、『ああ 上野駅』の歌詞が描く東北出身の中卒の少年少女の姿と重なり、私なら第一位に推したい。第5位の『万引き家族』は同年?の米国アカデミー賞受賞作の韓国映画『パラサイト 半地下家族』がハラハラドキドキの連続なのに対し、同じ小悪人を描くにも対称的な抑制された描写。どちらが良いというよりも一衣帯水の隣国との相違が印象的だった。
第6位の『鉄道員(ぽっぽや)』は実直そのものの鉄道員高倉健と娘の広末涼子の物語で、浅田次郎の直木賞受賞作を巧みに映像化し好印象を残す。
第8位の『マルサの女』は伊丹十三監督の作品らしく、娯楽性満点の作品で好き嫌いは分かれるかもしれない。第10位の『Shall we ダンス?』は怪優竹中直人の魅力いっぱいの作品。それを引き出した周防正行の腕前は特筆に値する。
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