2021年2月19日金曜日

美辞麗句には注意を!

  ようやく森喜朗東京五輪組織委員会会長の後釜に橋本聖子氏が決まった。その間、新聞各紙では候補者検討委員会の運営をめぐって「密室」「密室人事」の文字が踊らない日はなかった ( 『毎日』2.17 『東京』2.18 『朝日』2.19 など )。だが、そうした批判は正しいだろうか。

  今日のTBSの情報番組『ひるおび!』 で片山前鳥取県知事が、検討委員名の非公開には疑問を呈していた。しかし議事内容の公開は、審議中に批判されたり反対されたりした候補者 ( 立候補したわけではない ) にとり耐え難い事態であり、人権にも関わると言っていたが、全く同感である。記者たちはその程度の配慮すら持ち合わせないのだろうか。

  少し前に山下泰裕JOC会長がJOCの審議内容を非公開に改めたときに私はこのブログで賛成した。今回も同氏は委員会で非公開を主張した二人の一人と明かした上で、「メンバーが自分の信念に基づいて自由に発言するには、何としても (非公開にして ) その人たちを守らないと、圧力がかかる。透明性より、本音で考えを述べる機会をつくることの方が大事だ」と述べ、非公開を支持する立場を明確にしたとのこと ( 『朝日』2.19 )。日頃から各競技のボスの伝声管のような委員の発言にうんざりしてJOCの改革を実行した同氏の真意を記者たちは理解できなかったようだ。

  透明性も公開性も可能な限り尊重されるべきだが、状況によっては逆効果を生む場合がある。言葉に酔って良いはずが無い。

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