2020年8月6日木曜日

球磨川水害におもう

熊本県の水害被害からの復旧作業が遅れていると報じられている。皮肉なことにコロナ禍の流入を警戒してボランティアを熊本県人に限ったことが復旧の遅れを生んでいるという。県の判断を誤りだとは誰も言えないが、被害者の皆さんの困難はそれにより一層深刻になっているようだ。

ボランティアにせよ自衛隊員にせよ、梅雨明けのこの猛暑の中での作業に本当に頭が下がる。ボランティアに金銭的に報いるというのには矛盾があるが、せめて栄誉の面で報いる道はあるのではないか。

被害画面を見ていると人吉盆地からすぐの下流の渓谷の狭さが印象的である。球磨川の最大の支流の川辺川のダム計画は住民の反対で2009年?に中止となった。それが今度の水害の原因とは言えないとしても被害を大きくしたことは否定できないのではないか。被害とダムとの関連については『読売』がその可能性に触れていたが、昨日の『毎日』はほぼ1ページを費やして被害拡大論と反対論の学者の対立する主張を紹介している ( 後者は反対運動の支持者だったようだ ) 。

素人の私に軍配を上げることは困難だが、中止に代わる代替案として10通りの治水案が示されたのに、そのそれぞれに疑問や反対論が出て、結局どれも実現できずにきた結果が今度の水害を生んだと言っても過言ではないのでは。中止を決めた蒲島熊本県知事はその特異な経歴から私も敬意を抱いてきたが、今度の水害の責任が皆無とは私には思えない。とまれ、知事はそうした疑問に答えるべきだし、被害の報道ばかりでその原因を全くネグレクトする他紙は怠慢至極と思う。

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